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【鋼の錬金術師】紅の幻影

第7章 家族の待つ家






横目での寝顔を眺める。
目の下にはクマの痕がくっきりとあった。
ここ最近色んなことがあったから疲れているんだろうな。
つうか、こいつの寝顔初めて見たな。

そう思ってふと気が付いた。

あれ、っていつ寝ているんだろう。
スカーとの戦いが終わって入院していた時は寝ていたな。
でもあれは寝ていると言うよりは気を失っていたから、寝ているとは少し違うか。
目を瞑っているところは時折見たことがある。
でも、数分もすれば目を覚ましていた気がする。
あれ……もしかしなくても、って全然寝ていないんじゃないか。

そうだよ、なんで今まで気が付かなかった。
こいつはオレたちの前で寝たことなんて一度もなかった。
眠れない何かがあるのか、の事情なんてオレはまったく知らない。
でも、結局今こうして倒れているんだとしたら、呆れて何も言えなくなる。
しかもこんな寒空の下で、しかも病み上りなのに。

「風邪引くぞ」

そう声をかけても起きる気配はない。
規則正しい寝息だけが闇夜に消えていく。

さてどうしようか。
片腕じゃを抱き起こしてやることもできない。
かといって、アルに頼めるわけでもないし。
少佐に頼んで担いでもらうか……。

「………………なんか、やだ」

想像して顔を顰めた。



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