第7章 家族の待つ家
朝食が出来上がり、まだ寝ているウィンリィさんを起こし、いつの間に起きていたのか外で鍛錬をしている少佐に声をかけ、みんなで食事をとる。
ウィンリィさんとピナコさんは今日も機械鎧の製作をし、少佐は鍛錬をしつつ手伝いをし、エドワードくんは読書をするそうだ。
夕飯まで私が手伝えることはなく、またのんびりとした時間を過ごすことになった。
さて、何をしようかと考えていると私の足にデンが甘えるようにすり寄って来た。
「どうかしましたか?」
くりっとした丸い目が私をじっと見つめ、尻尾は一定の速度でゆらゆらと揺れている。
動物を飼ったことがないから、彼が何をしてほしいのかまったくわからない。
「遊んでほしいのでしょうか。それとも……お散歩?」
「わんっ」
「お散歩ですか」
はちきれんばかりに勢いよく尻尾を振るデン。
勝手にお散歩に連れていっていいものか悩む私の服を、彼は急かすようにぐいぐいと引っ張る。
とりあえず出かけることを伝えなければと思い、近くにいた少佐に「お散歩行ってきます」と言えば「かしこまった」と笑みを浮かべ「殿を任せましたぞ」とデンの頭を優しく撫でた。