第6章 希望の道
「バカなマネだというのはわかってる!それでも!……それでも目的を果たすまでは針のムシロだろうが座り続けなきゃならないんだ……!!」
鋭い眼差しがマルコーさんを貫く。
傍らのボロボロの鎧に目を向け、マルコーさんは何か勘付いたのだろう。
彼等の過去を問いただした。
そして彼らは語る。
己が犯した罪を―――。
「そうか……。禁忌をおかしたか……。おどろいたよ。特定人物の魂の錬成をなしとげるとは……。君なら完全な賢者の石を作り出す事ができるかもしれん」
「じゃあ……!」
「資料を見せることはできん!」
マルコーさんの意思は強かった。
元の身体に戻るためだけに石をほっしてはいけないと諭す。
「それしきの事だと!?」
「ドクター、それではあんまりな!」
「マルコーさん、教えれらない……いや、教えたくない理由が他にあるのではないですか?」
彼らの過去を聞いて、彼らの目的を知って、それでも教えないと言うのは、何か大きな理由があるに違いない。
そうでなければ、意地が悪すぎる。
マルコーさんは椅子から立ち上がると、私たちに背を向けた。
その背中は少しだけ震えているようにも見える。
「あれは見ない方がいいのだ」
小さく零した声は震えていた。
「あれは悪魔の研究だ。知れば地獄を見る事になる」
「地獄ならとうに見た!」
「…………だめだ。帰ってくれ」
エドワードくんの願いも虚しく、何も得られないまま私たちはマルコーさんの家を後にした。