第6章 希望の道
「我輩は機械鎧の整備師とやらを見るのは初めてだ」
「正確には外科医で義肢装具士で機械鎧調整師かな。昔からのなじみで安くしてくれるしいい仕事するよ」
列車の中ではエドワードくんとアームストロング少佐が談笑している。
それを聞きながら私は流れる景色をただ静かに見つめる。
リゼンブールに行ったのはあの時の一回きり。
何もない田舎だけど、とても静かでそこだけ切り取られたように時間だけがゆったりと流れているのが好きだった。
そしてなにより……。
「星がとてもよく見えて綺麗なんです」
「ほう!」
「あれ、ってリゼンブールに来たことあるのか?」
「はい、一度だけ」
「……へぇ」
少しだけ目を大きくするエドワードくんに私は微笑んだ。
やはり覚えていないか。
あの時、私はあなたがたに会いに行ったんです。
そしてあの子にも会った。
あの方たちと同じ優しい雰囲気を纏った女の子。
会いたいけど、会いたくない。
相反する気持ちを抱き、私は静かに瞳を閉じた。
エドワードくんと少佐の言い合いはとても心地いい子守歌になって、いつの間にか私は深い眠りについていた。
怖い夢を。
見なかったのは。
初めてだった。