第6章 希望の道
私たち3人、列車に乗り込みイーストシティ駅を出発するのを静かに待っていた。
すると、列車の窓を軽く叩く音が聞こえそちらへ視線を向けるとヒューズさんの姿が。
「ヒューズ中佐!」
「ヒューズさん!」
どうやら、司令部のみんなは仕事が忙しく見送りに来れないから代わりに来たと言う。
こういう部下思いのところがヒューズさんが慕われている理由に繋がるのだろう。
昔、私もこの優しさに救われた。
大げさに聞こえるかもしれないが、家族を失い復讐に身を委ね、行き場を失くした人間を暖かく迎え入れてくれたことがどれだけ嬉しかったか。
でも、当時の私はまだ幼く、心荒んでいたこともあって随分と彼らには酷い言葉や態度を取ってしまった。
反省してもその過去は消えない。
それでもヒューズさんは変わらない愛情をくれるものだから、申し訳なさを感じながらいつか与えてもらえた愛情を私なりの方法で返していきたいと、今なら思える。
「そうそう、ロイから伝言をあずかって来た」
「大佐から?」
「"事後処理が面倒だから私の管轄内で死ぬ事は許さん"以上」
「"了解。絶対てめーより先に死にませんクソ大佐"って伝えといて」
大佐が大佐ならエドワードくんもエドワードくんだな。
お互いに憎まれ口をたたき合う2人は長生きするとヒューズさんは笑って言った。