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【鋼の錬金術師】紅の幻影

第6章 希望の道






――・アールシャナside――



「聞いたぞ、エドワード・エルリック!!」

ぶわっと大量の涙を流すアームストロング少佐は、エドワードくんを思い切り抱きしめた。
その暑苦しさに大佐をはじめ、この場にいる全員がほんの少し、いやわりとちゃんと引いていた。
少佐の力強い抱擁を受けているエドワードくんからは心なしか、骨の軋む音が聞こえる気がする。

「母親を生き返らせようとしたその無垢な愛!さらに己の命を捨てる覚悟で弟の魂を錬成したすさまじき愛!我輩感動!!」
「寄るな」

再び抱き着こうとする少佐を足で制止、エドワードくんは口を滑らせたであろう元凶の元へと足を運ぶ。

「口が軽いぜ、大佐」
「いやあ……あんな暑苦しいのに詰め寄られたら君の過去を喋らざるをえなくてね……」
「と言う訳で。その義肢屋の所まで我輩が護衛を引き受けようではないか!」
「はぁ⁉なに寝ボケた事言ってんだ!護衛なんていらねーよ!」
「エドワード君」

エドワードくんの声を遮り、リザさんは言った。
またいつ、スカーが襲ってくるのか分からない中を片腕のない身体で移動するのだから、スカーに対抗できる護衛を付けるのは当然だ、と。

「がいるじゃねえか」
「大将、も病み上りだぜ。それにいくらが強いったって、アルを運んで戦うなんてことできると思うか?」
「うっ……。で、でも……だったら少佐じゃなくても!」

ハボックさんの正論にたじろぐエドワードくん。
スカーと戦闘するのはいいとして、確かに私の力ではアルフォンスくんを抱えることは困難だ。



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