第5章 雨の後
「ちくしょー、なんだってんだ!人にうらみ買うよう事は…………いっぱいしてるけど……命ねらわれるスジあいはねーぞ!!」
エドワードくん個人というよりは国家錬金術師を狙っている、と説明したいがそんな暇はない。
兄弟の少し後ろを走りながら後ろを振り返る。
当り前だが、追いかけてきている。
こんな街中で発砲は避けたい。
兄弟を保護しつつ人通りの少ない場所へと誘導できないものか。
そんなことを考えていると、先を走っていたアルフォンスくんが狭い路地へと入っていくのが見えた。
「兄さん、さんこっち!」
「こんな路地入ってどーすんだよ!?」
「いいから!」
そういうや否や、アルフォンスくんは錬成陣を描き、路地の入口を塞いだ。
「これなら追って来れないだろ」
「おお!」
「2人とも、私の後ろに」
「「え?」」
相手は連続殺人犯。
グラン准将も殺したやり手だ。
必ず追ってくる。
そう思った直後、路地を塞いでいた壁はスカーの手によって破壊された。