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不思議と不思議のクロスワールド

第2章 プロローグ



『グララララッ、改めて礼を言わせてくれ!ありがとうなァ、おかげで助かったぜ!』

『いえいえ!世の中、助け合いの精神が大切だもの!』

『だがなァお前さん、海賊を助けて家に招くなんざな危ないぜ?』

『えっ?!あなた海賊だったの?!本物の海賊なんて初めて見たわ!しかも巨人!!』

『……あん?初めてってどういう事だ?今のご時世で知らねぇなんて珍しいな、因みにオレは巨人族じゃなくて人間だぜ?元ロックス海賊団の白ひげ……エドワード・ニューゲートに聞き覚えは?』

『うーん……、ない!と言うか、貴方の方こそポケモンを連れずに冒険出来るなんて、いくら人より何倍も巨体で力自慢でも無謀だわ』

『ぽ、ぽけもん??なんだァ、その聞き慣れねぇもんは』

『『え??/あん??』』



二人は最初こそ呑気に笑って喋っていたが、互いの常識が一切噛み合っていない事に気がつきます。

それからは二人で只事じゃないと双方の一般知識について話し合い、女性が持っている世界地図も念の為に確認すると、全く合致していない状況に愕然とします。

すると女性が真っ青な顔でこう言いました、『きっと私達は島ごと世界を超えたんだわ、信じられない現象だけど心当たりがあるの』と。





──────曰く、この島は凡ゆる地方の伝説とされる神話の影響を受け、一番端だとさせる島の反対側は常に天気が荒れており、稀に時間と空間を司るポケモンという神性を持った生物達の能力によって、島ごと世界を超える事があるらしい……。

しかしどのくらいの期間で帰れるのかは彼ら次第で、突然迎えに来る事もあれば、何の前触れも無く勝手に戻ってしまう時もある。──────






『だけど、まさかそんな……本当に異世界に移動してしまうなんて……!!』

『グララララッ!きっと「偉大なる航路(グランドライン)」と相性が良かったんだろう!何せ此処はありえねぇ事がありえねぇ、何が起こっても不思議じゃねぇ海域だ!』



まさかの事態に呆然とする女性の一方、白ひげはこんな状況に巻き込まれても豪快に笑って楽しむ度胸があった。

しかし当然この世界に行く宛の無い女性は困り果て、……てしまう事は一切なく、暫く絶望しきった後は開き直って冒険の旅に出ると言い出した。

職業トレーナーな女性は冒険好きだったらしく、白ひげはあまりの無鉄砲さに待ったをかけた。
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