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不思議と不思議のクロスワールド

第2章 プロローグ




意外も意外と驚きを隠せず思わぬ話に愕然とする新人クルーに、近くで話を耳にした大勢のクルーも「オレも聞いた時びっくりした」「だけどオヤジらしいよなぁ」「ロマンチックだった」と、誇らしげに兄弟揃って笑っていた。


新人はまだ肝心のロマンチックなストーリーを聞いたことがないけれど、それでも仲間の感想を聞いて


クルー全員を家族として愛情深く接する白ひげらしい純愛な一面だなと。


けれど新人クルーがふとサッチの何気ない言葉を思い出し、頭上にハテナを幾つも浮かべて首を傾げる。



「ん?初恋のお嫁さんと、……家族??えっ、いやいや待ってくださいよサッチ隊長!今、お嫁さんに家族いるって言いました?!」

「おうよ!オヤジにはオレ達以外の、初恋の相手と出来た血の繋がった家族がいるんだ」

「えっ?えええぇぇぇええっ?!」




白ひげ海賊団には何十年も語られ続ける、船長エドワード・ニューゲートの1年間の燃え上がるような情熱の初恋の物語があった。

昔、航海中に酷い嵐に遭った白ひげは荒れ狂う海面と暴風雨による巨大な津波に翻弄されて、船の舵を動かせぬまま、あわや溺れて死んでしまうかと思ったとき。

ピンチの白ひげの目の前に忽然と現れたのは、『記録指針(ログポース)』が針を回転させ続けたり、島の向こう側が快晴という見るからに不思議な島。

そこは潮の流れも津波も島へ向かって発生しいる海域のようで、白ひげを乗せた船はそのまま島に流され続けて漂着し、参っていた所へ島にたった一人で住んでる女性が現れた。

女性は腰までストレートな焦茶色の髪に、アーモンド型の茶色の目、女にしては高身長なスタイルの良い体つきで、戦闘慣れはしてなさそうな一般人のようだ。

そんな女性の両隣には白ひげが図鑑や旅路でも見た事がない、不思議な能力を使える生き物達を連れていて、彼らが間に立って女性のことを守っていた。

しかし最初に白ひげが「危害は加えるつもりはない、警戒しないでくれ」と訴え、船が嵐で流れ着いたと事情を説明すると生き物達が女性に「嘘はついてないぞ」と教えるように少し敵意を緩めて鳴いていて。

結果、真後ろに乗ってきた船があって信じて貰えた白ひげは女性に連れられ、彼女の家であったかい食事や地熱を活かした天然風呂を堪能させてもらった。

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