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不思議と不思議のクロスワールド

第4章 状況をきちんと把握しよう。



正直、ポケモンの縄張り世界がこちらの世界と干渉した事は何度かあっても、島が世界を移動する経験は想定外……。と言うか、そんな伝説があるのは私の島だけだし当然か……。まぁまだ証拠が無いからここが異世界だって決めつけるのは無理なんだけど、とムクホークが戻るのを上空を見上げて待っていたら、さっき行ったばっかりなのに慌てて飛んでくる。



【クホォ!ホォォォオ!!】

シフォン「……ムクホーク?」

【マスター!近海でこの島を目指す三隻の船を発見!ホエルオーに求愛されてる所を見つけたらしいロト!】

シフォン「なんて?」



側に漂うスマホロトムが通訳してくれるけど、さっばり意味がわからない。取り敢えず降り立ったムクホークの頭を撫でて労った。ポケモンが無機物に求愛なんて、どういうこっちゃ。



【ホオ〜〜】

【船首が真っ白なホエルオーみたいな大型船と、似たデザインでそれより小さくて黒い船が二隻!旗にはお髭のドクロマークで、計三隻!多分ホエルオーは同種のオスだと思ってるロト!!】

シフォン「?!!」



私はポケモン達の会話に息を呑んだ。『ホエルオーみたいな大型船達』、『お髭のドクロマーク』、それらの特徴を持った船を私は祖母から沢山聞いた事がある。それに思い至った私の行動は早かった。すぐに真横を飛んでいるスマホロトムを鷲掴み、反対の手では腰に巻いたボールホルダーから手にしたモンスターボールを真上に投げる。


ポンッと音がして出て来たのはドラゴンタイプのチルタリスだ。その子は青空のような色味に首が細長い鳥ポケモンで、羽がふわふわと弾力のあるクッションのような綿毛だ。けれど、空を羽ばたく時はかなりの速度を出せる。チルタリスは出して早々「ホエルオーの元まで飛んで!」という指示に従ってくれて、ホエルオーと船団がいる所まで連れて行ってもらった。この客人を拒む島に来れる人達。確かめたい、会ってみたい、その一心で。


そうして危険な速度じゃない範囲で急いでくれたチルタリスによって、話にあった船の所まで近づいてみると……。



シフォン「えっ、デッッッカ!!」



余裕でホエルオーより身長が縦も横幅も遥かに大きそうな、窓の数的に何十階と階層があるらしい大型船。確かに船首はホエルオーに似ていて、旗には三日月型の髭でニヤッと笑ってるドクロマーク。
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