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おんおら

第2章 三人称視点の秘密


「おらふくんって、三人称視点にしたことある?」
「え、サインショー?」
「違う違う。三人称」俺は説明を続けた。「ゲームには、自分を後ろから見るカメラと、自分の正面にカメラを変えることが出来るものがあるんだけど……」
「え、そうやったん?」
 おらふくんもだいぶこのゲームには慣れてきた様子だったが、やはり知らなかったようだ。そもそも、初心者から始めてここまで上達した方がすごいのである。
「それ使って自分を映すようにしたら、ファンとか喜ぶんじゃない?」
 本当のことは分からないが、何かが出来た〜って時に自分のスキンを映すとかさ、と俺が言うと、おらふくんはなるほどと頷くように呟いた。
「自撮りみたいな感じか」
「まぁそんな感じ」
「じゃあ今度やってみよっかなぁ」
「無理にとは言わないけどね。確実なことは俺にも分からないし」
 と言うと、おらふくんが通話越しでケラケラと笑った。
「おんりーにも分かんないことあるんやな」
「それはあるよ」
 例えば君のこととかね。
 俺は適当に話を終えて、おらふくんとの通話を切った。
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