第4章 ひまわりに潜ませた想い
「あれ、おんりー。キーホルダーなんてつけてた?」
おらふくんとの外食中、たまたま手に取ったスマホにぶら下がるキーホルダーを指してそう聞かれた。
「ああ、これね。親の知り合いにもらったみたいで」
かわいいから、捨てるのももったいなくて一応つけたんだよねと言えば、おらふくんは疑うことなくそうなんや、と言って信じてくれたみたいだ。
本当はおらふくんのことを想ってつけたなんて、きっとバレないから。
いつだったか。たまたまプレミア公開されたタイミングでドズル社の動画を見た日、通話外でおらふくんが好きな花の話をしていたことを聞いた。おらふくんはひまわりの花が好きらしい。
俺はこうして永遠におらふくんへの好意を隠し通すつもりだが、手元に明らかなグッズを身につけるのはさすがに出来なくて。
おらふくんのグッズだけ持ち歩いていたら、さすがに気持ちにバレそうだし。かといって全員のグッズを身につけるのも邪魔になりそうだし。
そうこうと悩んでいたところに聞いたおらふくんの発言と、たまたま寄った雑貨屋に手頃なサイズのキーホルダーを見かけ、今に至るということだ。
「おんりーのも美味そうやなぁ……」
「え」
急に言われて俺は驚いたが、どうやらおらふくんは、こちらのパスタを見ながら言っていた。
俺はホワイトソースのパスタを頼んでいて、おらふくんはデミグラスソースのオムライスを食べているところだった。