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私が嫌いな私なんて○したっていいじゃないか(短編集)

第2章 家政夫なぎさん


傘を閉じ雨水を叩く

そういえば気圧が下がると体調を崩しやすいと聞いたことがある。遊夢さんのリバウンドが来たのもこれが境だったのかもしれない


買ってきた者が入ったビニール袋をテーブルに置いて片付ける。すると遊夢さんの部屋から話し声が聞こえてきた

不思議に思いつつも彼女に渡したい物を用意して部屋のドアを開ける
『はい…はい…その件は明日済ませますので』
「ああっ!!」

呆れたことに彼女は風邪でも仕事の電話に対応している。そうきたか…

僕の叫び声に驚いた遊夢さんは渋々無理矢理電話を切った
「何してるんですか!!」

『電話が来たので対応を』

「会社には休むって言ったんでしょう!?そんな物無視です無視!!」
今後もやりかねないのでスマホは没収
「今日は遊夢さんが休む日なんです!好きなことをしなくても、どうして大人しく寝るってことが出来ないんですか…」

遊夢さんは俯きげに黙る。僕はため息をついて続けた

「一ヶ月契約なんですから、こういう困った時に使わないと金銭的損にですよ。
これ、お茶とゼリー飲料です。あとタオルと着替え。汗かいたらとりかえて下さい。一応気持ち悪くなった時用に袋とバケツも置いておきます、吐きたくなったら呼んでください。何か食べられそうなもの作ってきますんで」

そう言って戸を閉めた。あんな弱々しい遊夢さんは初めて見た。今日は何だか立場が逆になった気がして少しほくほくした気持ちでキッチンへ向かった
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