私が嫌いな私なんて○したっていいじゃないか(短編集)
第2章 家政夫なぎさん
「来ました」
『…来ないでって言ったのに…』
「対策はしてあります」
流石にそのまま上がるとうるさそうだったのでマスクと消毒セット一式持ってきた。それが効いたのか怠そうな遊夢さんは渋々中に入らせてくれた
「熱は?」
『さっき測りました…』
「測ったかどうかじゃなくて何度!?ほら!!」
左手で催促すると観念して体温計を差し出した
「37.3℃…やっぱりそこまでの熱ないじゃないですか」
『私は万が一のことも考えて…』
「今日金曜日だから…あ、やっぱり冷蔵庫殆ど何もない!!これでどうやって療養するつもりだったんですか!!」
風邪で弱っているせいか今日の遊夢さんは簡単に押さえ込める
「とりあえず寝てて下さい。必要なもの買ってきますんで、少し長い外出になりますけど」
僕は遊夢さんの肩を押さえて寝かせると玄関と傘を開けた