私が嫌いな私なんて○したっていいじゃないか(短編集)
第2章 家政夫なぎさん
渚side
僕は潮田渚。大学生で最近お金を貯めるために家政夫の仕事を始めた。洗濯や調理など家事の一通りは出来るつもりだから並な事はこなせる
お相手は会社員の遊夢さん。オフィスにいたら少し目立ちそうな整った顔の奇麗な人
それとは対照的に性格はバッチリビジネスだった。効率とお互いの利益を常に考える冷静な人だった。少し大雑把過ぎて無防備な部分があって心配だけど……(汗
遊夢さんのお宅はマンションでそこまで大きくはない。遊夢さん曰く
『時間がある時に引っ越そうと思います。貴方を雇う期間は大体その位です。学生さんなら余り引き伸ばし過ぎたら進路に影響してしまいますから』と
しばらくここで働いて分かったことがある。遊夢さんは常に仕事ばかり考えている。そしてそのお陰で会社ではかなりいい待遇を受けているようだ。
けど、何か趣味とかはないのかな?見てる限り休みの日もどこにも行かない、けど仕事バカって感じも全くしない。そんなに働きすぎたらおかしくなっちゃうよ…
僕は必要最低限の家具や物しか置かれていない殺風景な寝室を見て段々心配になってきた
そして雨の日
今日も仕事に行こうと時間を確認していると遊夢さんから連絡が入った
遊夢
すみません、今日の仕事は来なくていいです
渚
え?どうしてですか?
遊夢
ダウンしました
渚
大丈夫ですか⁉
遊夢
今起きられないので寝てますけど、移すと大変なので来ない方が適切だと判断しました。本日はお休みということで…
起きられないって…十分大変じゃん!!何一人でなんとかできると思ってんの!?
「はぁ…なんで僕の御主人様はこんなに自分に疎いの?」