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私が嫌いな私なんて○したっていいじゃないか(短編集)

第2章 家政夫なぎさん


『結婚…というか恋愛をしたくないんです。




格好の駒になりたくなかったから

都合のいい女になりたくなかったから




ただ努力もせずにノリで遊んで、サボってばかりの人に負けたくなかったから、見返してやりたかったから………


私よりも楽しそうにしている奴等が許せなかったから……… 』

「…!」

『だから恋愛とはもう随分前に縁を切りました。勿論政略結婚も嫌ですし。見ず知らずの男に妻という形で成り下がりたくない。良かったですね、渚さんだからまだ許しますけど、場合に寄ってはセクハラ発言ですよ。

どうしてそんなこと聞くんですか』
次は疑問符を付けないで、なんてことを言ってくれたんだという意味を込めて、復唱した。渚さんはしばらく黙ってから口を開く
「………遊夢さんってそろそろ30歳いく頃だと思ったので…


婚期どうこうの前に歳を余り重ねると赤ちゃんが作れなくなるって聞いたので」

『別に私は人生においての幸せは子育てだと思ってませんよ』

「そうかもしれませんね。


けど、今のままで遊夢さんは幸せなのかなって…」




…⁉


幸せ……?


「勿論僕は遊夢さんのことを知りません。主従関係なのもそうだけど、何が好きで、何をしている時が楽しいって思うのか、












一度も教えて貰ったことありませんから」








『!!』








「だからさっきのはただの僕の独断と偏見です。




でも、僕は今がいいとは思えない。いつ会っても仕事のことばかりで………

それって異常だと思います







ただ僕は、遊夢さんの幸せの価値観を少し心配しているだけです」



それだけ言うと、彼は掃除を再開させた




幸せ?好き嫌い?


分からない…



















いや、考えることを辞めてるだけだ。

嫌になったから、考えたくないから、辞めただけだ
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