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私が嫌いな私なんて○したっていいじゃないか(短編集)

第12章 始まりの話


「遊びにきたよー!」
『はいわざわざアポなしで仕事中に来てくれてありがとうございます』

事務所の扉を開けた三人に皮肉を言ってからもう一度書類に目を通す。その話をしたのは一体いつだろう。茅野さんが突然私の事務所を見に行きたいと言い出したのだ。

「私も一応一人の芸能人だから他の人の仕事場も見てみたいんだよね」

まあその時は、いつかねと何となくお蔵入りになっていたが渚さんと赤羽さんを連れて勝手に入ってくるとは思わなかった。案の定今手が離せないが



「あら。お友達?」

「はい!」

「来てくれたところ悪いんだけど今遊夢はミーティング中なの。あと10分くらいで終わるんだけどどうする?」

「じゃあ待ってます!」
「茅野のそう言う図太いところある意味見習いたいよね…」

手が離せないのでマネージャーの平居さんが対応してくれたけど心底余計なことしやがってって私は思ってる











「えー!?平井さんまだ20代!?にしてはここまで1人で運営回せてるの凄いです!!」
「でしょー?ここまで来るのに長かったわぁ。あ、ほら、お菓子食べなさい遠慮しなくていいのよ」




仲良くなってる…



唖然としている私の気持ちも梅雨知らずおかえりと迎え入れる仲間たち
本当に何してるんだ、ウチのマネージャー



「そういえば平居さんと遊夢ちゃんが出会ったきっかけって何ですか」
「確かオファーって聞いたけど」



うげ、その話するの嫌なんだが



「いいじゃない、ほぼ私の話になるし」
苦い顔をする私に平居さんは足を組み直して笑う。そういう人なのだ、この人は




「元々ね、この事務所はそこまで大きい訳じゃなかったの」





ーーー


私は最初は大手の事務所の下っ端として働いていた。待遇もそこそこいい方。ただ、規則が私の性に合わなくてね、暗黙のルールっていうの?小汚いことに選考ではそんなこと一言も通知されてなかったの。大人の普通を押し付けられた結果、私は反発して一年も経たない内に辞職したわ。


その後、ここの事務所に転がり込んだの。


けど仕事は全然入ってこない。このままじゃ自然消滅まで時間の問題だって時に、



この子に出会ったの
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