私が嫌いな私なんて○したっていいじゃないか(短編集)
第11章 たんじょうび
((ちゅっ
『ぎゃっ///』
暫く顔を反らしてたらうなじにキスされた
「かわい♡」
『うう…』
調子に乗り始めたのか、キスの雨が降って来た。彼はいつも私の許すか許さないかのギリギリのラインを攻めてくる。なんて施策だ…
段々変な体制になってきてソファーの骨組みが私の背骨をゴリゴリ削って痛い
『もう、ちょ…///』
「もうちょっと?」
『違う!もう終わり!はい、終わり!///』
はははと笑いながら楽な体制に直してくれる。意地悪…
「で」
私の手に指を通す。声色も一つ落としてるところとかもう確信犯だと思う
「そろそろやって来るんだよね、その時期が」
カレンダーを指さし、私も視線を向けた。そうか、もうそんな時期か…
まだ7月上旬だが20日までなんてあっという間だ
「今年は何頼もうかなぁ♡」
渚さんがしたり顔で笑ってる…絶対嫌な予感しかしない。けどこういう狡いところにも惚れている自分がいるのもなんか悔しい
『逆にどういうのが欲しいんですか…』
「全部。遊夢ちゃんの、心も、身体も、全部」
『欲張り…』
「分かってるよ。それに全部一気に僕の物にしたらつまらないでしょ?だから、
少しづつ、手に入れてる」
渚さんの指が私の手の甲を優しく滑らせる。肩がビクンと震えた
『随分、長期的な計画みたいに言うんですね…』
「実際中学の頃から始めてたし」
『え』
本当に蛇みたいな人だ。そういうじっとりと体を這って来るところも気持ちよくて溜まらない
『いいですよ………大サービスで全部あげちゃいます。だから……渚さんも…全部…///』
「…はあっ…」
『んっ』
「好きッ、好きッ、好きッ、…遊夢ちゃん、大好きッ」
『渚さん…生まれてきてくれて…
私を選んでくれて、ありがとうございます』
そうして再びソファーに沈み込み、生暖かい吐息に溺れるのだった
(遊夢ちゃんもう寝よ…)
(…た、誕生日おめでとうー…///)
(……どこで買った?)
(…………ね、ネット通販///)
(……はぁ…ずる…///)
(お、お手柔らかに?)
(欲しがり♡)
(あっ、♡ちょっと…あんっ♡)