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私が嫌いな私なんて○したっていいじゃないか(短編集)

第9章 可愛い嫉妬(多分短い)


『あ、渚さん』
「遊夢ちゃん」
わかばパークでの勤務中、事務班の渚さんとすれ違った

『進捗はどうですか』
「うーん、まだこんな感じ」
足元で渚さんをげしげしと蹴っている桜ちゃん。こう見ると少し面白くて可愛い画である

「叶君は?」
『特に何も。いつも通り口だけの悪口言われてますよ』
「大丈夫?傷ついたら言って」
『私が子供相手にしょげると思いますの?』
「うん」
即答しないで欲しい、傷つくから。

すると隣にいた叶君と桜ちゃんの視線がバチッと合った


「はっ。今日もそいつにくっついてんのか?まるで金魚のフンだな」
「そっちこそバカとかブスとか拙い言葉言ってるらしいじゃないの。ゲンゴってのを知らないのね。あんたホントに小学生?」

と膝元でバチバチと火花を散らしあう。やっていることは醜いけどサイズ感も相まってちょっと可愛くなってる。

『ちょ、君たち喧嘩は…』
「これがいつも通りらしいよ」
渚さんが耳打ちしてくれた。先生によると、桜ちゃんと叶君はこの園の長的存在で(本人達が勝手に)自分のテリトリーに入られるとこんな風にたった二人の派閥争いが繰り広げられるらしい。

「それ言ったら、あんたこないだ私のお菓子食ったじゃない!」
「フン、お前が食べるのが遅かったからだろ!」

もう日常茶飯事なので本人達がケガしなければ基本的に誰も止めはしないようだ。日々私の以上の(下らない)嫌がらせ合戦をしている

けど、思春期の子はよく好意のある人に振り向いてもらう為に無意識的に嫌がらせをするって言われてるしなぁ…

『これが世に言う痴話げんかって奴ですか…』

「「は?」」
「な、何言ってんだよ!誰がこんなブスと」
「そ、そーよ!好き好んでこんなチビと…」

『ほら。何だかんだ仲いいね君たち』

「「キーーー!!///」」

「さ、桜ちゃん、叶君が好きなら僕も応援してるから!」
「ちょ、あんたまで何言い出すの!?バカ渚!!」


「「(早く気づけよ/きなさいよ!)」」

「『(青い恋だなぁ…)』」
私達は生暖かい目で二人を見つめた




―――

実はお互い子供組に恋心抱かれてて欲しいという作者の願望の作品。桜ちゃんは察しがいいから何気に渚君から遊夢ちゃんの恋愛相談されて葛藤してそう
「渚は…何か、そう!勢いが足りないの!」
「勢いか…なるほど!」
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