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私が嫌いな私なんて○したっていいじゃないか(短編集)

第8章 風邪をひいた日


無事授業に戻れた僕等は今まで通り黒板に向き合ってる。それにしても遊夢ちゃんがあんな弱々しい姿をしてるなんて触手騒動以来だ。そんな事を考えつつ僕は殺せんせーの説明をペンを片手で回しながら聞き流していた

あの時も遊夢ちゃんは想像以上の時間重い物を抱え続けてた。それがあの結果だ。
要らぬ心配なのかもしれないけど、彼女はまだ僕等が至らない物を持っているのかもしれない…


最後に見た彼女の姿を浮かべた。
少し浅い呼吸をしていて、起き上がるのも困難で、肌も熱そうに汗ばんで…




「ッ……!?///」




ち、違う違う!確かに遊夢ちゃんの事は好きだけどまだそう言う目で見てた訳ではッ…///



思わずいかがわしい方向で彼女を見ていたことを思うと慌てて頭を冷やそうとブンブンと振る。それが仇になったのか


「渚君、この問題で誤りがある物は?」


全くと言っていいほど聞いてない問題を先生に振られた



「煩悩に現を抜かしていないで真面目に授業を受けなさい」

と、ニヤニヤした顔で注意された
今度は僕の顔に熱が集まった。みんなに何してるんだって笑われたけどとりあえずこういう時だけ目がいい殺せんせーを恨んでおいた






昼休み、気になって遊夢ちゃんの様子を見に行くと既に殺せんせーもいた。何とか起きているのか遊夢ちゃんの目は辛うじて開いていた

「早稲田さんすみません。自宅で倒れていたので回収しました。ここは学校です」

『……』

「今日は放課までここに居なさい。帰りは先生が送ります。今昼休みですが欲しい物はありますか?」


熱がまだ引かないのか昼になっても食欲が湧いていないらしく黙って天井を見つめてた






『……熱い』

「はい?」

『着替えたい』

もはや敬語を使う余裕もなく寝巻に手をかけ始めた遊夢ちゃん

「わ、ちょっ」




「何黙って見てんじゃ男共!!女の身体は見世物じゃないんだからむさくるしい奴らはさっさと出てきな!!」



と、ビッチ先生の怒号と共に僕と先生はそそくさと部屋を後にした


部屋の壁を背に僕は先生に聞いた




「殺せんせー…」

「?」

「遊夢ちゃんがシングルファーザー家庭だって本当なの?」
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