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D.World 2

第5章 投影







その姿を眺めながら少し身体を移動させる。

沖矢もそれを察して壁に手をついた。


俺と沖矢に逃げ道を塞がれた名前が驚いて動けずにいる。




安室「僕というものが居ながら」
沖矢「私というものが居ながら」


  「「 嬉しそうに話している
        なんて妬けてきますね 」」




名前「?!」



言葉と行動が異常にシンクロしたが、
互いに譲ることも出来ない。


俺は名前の左頬に、

沖矢は彼女の右頬に口付け、

その照れて赤くなっている顔を眺めた。



松田「…何やってんだお前ら」


ジトりとした目を向けられ、その余韻に浸れなくなった。


安室「…見てわかりませんか?名前を奪い合っている最中です。邪魔という無粋な真似はしないで頂きたいですね。」


松田「俺、お前の“ソレ”(安室)慣れねえわ。あと無粋な真似すんのには理由がある。」


松田が指を刺した方向を見ると執事が持っているフォークがあらぬ方向にウネウネと曲がっている。


どういう原理か驚いて見ていると執事はパッとフォークを消した。


それは白いマントを着た奴を思い出させる仕草だったが、この船に乗り込めるとは思えなかった。


(消えたフォークの行方は気になるが…)




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