第5章 投影
沖矢「…確かに…貴方はただの一般人じゃない……各国がその戦力に期待し、依頼してくるんでしょう?」
名前「まぁ、“派遣”とか“任務”とか言ってたら気付くよね。」
沖矢「ええ、それはもう。…と言いますか私こそただの大学生なので、そちらの“公安の方”と違ってこういう話をされるのは些か不本意なのですが…“頼られている”のでしたら知恵を“お貸しします”よ。…御礼としてね」
薄く目を開けて見れば僅かに頬を赤らめてありがとうと笑顔を向ける名前。
(その笑顔だけで人を操れそうなんだが、他人にソレを向けていると思うと虫唾が走るな。)
降谷「…」
主人公said
赤井さん扮する沖矢さんに“協力は惜しまない”と薄目を開け言って貰って、喜んでいたのも束の間。
降谷さん扮する安室さんに通話が入り、梓さんが寝込んでいる為、誰か連れてくるか、忙しいだろうけど1人で営業してくれないかと言われているのが聞こえてしまった。
そんな降谷さんと目が合ってしまい、電話越しなのに安室透の笑顔で
安室「とても良く働いてくれそうな方が“いらっしゃる”ので、2人で営業させて頂きます。」
助かるよなんて声が聞こえたかと思うと、いえいえなんて言いながら通話を切った降谷さんがこちらを向いた。
降谷「…では、行きましょうか」
これは私が彼を“罵った”所為だろう。
差し出された手の仕草はバーボンで笑顔は安室透なのに強制的な威圧感は降谷零だった。
渋々その手を取るとシオンに耳元で囁かれた。
シオン「大学生は此方でお送りします。」
シオンはいつから持っていたのか、私の腕にいつものリュックの紐を通して肩にかけさせた。
名前「…行ってくる。」
近くに停めているRX7の助手席のドアを開けられ、大人しく其処に乗り込んだ。
5章🔚