第5章 投影
名前「“イーグル”以外は教えて構わない」
イーグルとは鷹の事だが、それ以上僕はわからない。彼女の隠語か何かなのだろう。
胸に手を当てお辞儀をするフィルは名前に対して忠誠を誓っている様に見える。
それ以前にもずっと、彼は名前に忠実だとは感じていた。
フィルは僕に見せつけるように少ない掴む場所を選びながら船の上部吹き抜けまであっという間に登ってしまった。
なるほど、場所を駆使すれば其処迄辿り着けるという事だな。
俺は、ほぼ同じ場所を選び掴みながら全身で飛び登っていく。
だが、ある一部の場所で届かない
掴めず手を離した自分の身体は宙を仰ぐ。
落ちる。
そう覚悟した時、フィルは此方を目だけで見て
口角を僅かに上げた
名前「シオン!」
叫び呼ばれた執事は言葉を返すよりも身体が
先に動いたように見えた。
走り始めた段階で名前に投げられたバングルを執事は受け取りながら近くへ向かってくる。
落ちていく俺の身体はシオンという執事が
鉄格子で組まれた所を足場として登った途中に
脚をかけ、バングルからワイヤーを放つ
それを掴むと、振り子のように俺の身体は揺られるが、壁にあたるよりも先に地面へ着地出来る方が早かった。
名前「大丈夫か!」
走って近くまできた名前に大丈夫ですと笑顔を向けると心底安心したようで良かったと微笑む姿が返ってきた。
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