第5章 投影
名前「早朝キャルの測定だからな、ヒロ眠かったら寝ていいぞ。」
ヒロ「いや、時差呆けかな?眠れないから起きていられるよ。」
名前「配属先が合っていた様で何よりだよ。」
ヒロ「ん?」
名前「アチラは好感を持っていたようだった。」
その言葉にオレは驚いた。配属先では酷く罵倒され、良い印象を持つどころか2度と同じチームに配属されるのは嫌だと思っていたからだ。
何をどうすればそれが覆るのか、全く理解できない。
名前「…私の言葉を他の発生した事件にも応用していたんだろ?」
ヒロ「“見た目に囚われるな”って言われたから…」
名前「それが早期解決に繋がったそうじゃないか。」
ヒロ「全然相手にされた感じはしなかったけど…変だな」
名前「符合しないのは変な事ではない。ただのやっかみだ。……ヒロ。人の嫉妬など取るに足らない。譫言と同じだ。其処には理論も論理も存在しない。」
ヒロ「…」
名前「どうした?」
ヒロ「いや、君は見ていた様に話すんだなって思って」
名前「まさか。見ている時間が無駄だ。
解決している。」
堂々と解決は誰よりも早いだろうと話す名前に対して笑いが溢れた。
そうだよなと言葉を繋げて名前の頭を撫でてしまった。
ヒロ「…ごめん。司令“だった”」
名前「? 何を言っている?今も司令だ。」
ヒロ「そうじゃなくて。」
フィル「ついうっかり撫でてしまった目の前の可愛らしい子が司令という立場だという事を忘れていた。」
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