第5章 投影
名前「フィル、例の実験。試せないか」
フィル「駄目です」
名前「そうか…模範的に仮想空間で試せないかと考えている。」
フィル「…それも、現実とは違いますよ。」
名前「何も出来ないままじゃないか。取り敢えずこれをフィルに。“お土産”だと言ってくれ。」
フィル「司令は今から如何なさるんですか?」
名前「ヒロがご飯を作ってくれるだろう。皆んなの分も。そしたらそれを手伝うよ。」
フィル「では、松田の看病をシオンと代わります。…なるほど、見越してフィルへの土産を渡したんですね」
フィルの今の発言からシャワールームは松田が寝かされている医務室か何かの近くなんだろうと容易に察しがついた。
名前「ヒロ、厨房に行こう。」
ヒロ「メニュー何にする?」
名前「あれ以外無いだろ、ただ今回は鶏肉だけどな。」
ヒロ「キャルが太ってて安心した。」
名前「太らせろと言った事を遂行してくれたが、安心したとは中々意地悪な発言だ。」
なるほど、お喋りなキャル君は怒られた後太らせられて、SWATのテストに合格できない場合、クビにさせられるのか。なんて哀れな。
ヒロと名前の会話を楽しく聞きながら、食堂といっても良いのだろう、そこに並んだ椅子に座った。
沖矢昴も適当な場所に座ってヒロと名前が入っていった厨房に目を向けている。
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