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D.World 2

第1章 再演









××「お待たせ!マスタードを効かせたクリームココット煮!熱いから気を付けて」


キャルは袖をずらして自分の皿を手前に置いた。
ノアの分は彼がミトンを使って置いている。
シオンは素手で私の前と自分の前に置いた。


各々食べ始めたところで彼が話し始めた。


××「…助けて貰ってありがとう。」

シオン「口の聞き方に気を付けろ」


言い終わってしまったがシオンの腕を掴み、黙っていろと視線を向けた。

彼女はそれを見て受け取ると目を伏せ
目の前の料理に視線を戻し再び食べ始めた。



「…シオンの発言は気にしないでくれ。
それより、私が言った言葉は理解したか?」


××「いや、正直あまり分からないよ。
  “悪いが、君の命は私が貰う”
  それって、どういう事なの?」


出されたココット煮をキャルの方へ押しやり
自分の前に、持っていた珈琲カップを置いた。


「あの時キミは胸ポケットの携帯を撃ち抜き
そのまま死ぬつもりだったな?」


××「!…ああ、NOCと気付かれ誰かの足音が聞こえてそれ以外に方法が無かったから…」


「あの足音は降谷零のものだ。」


××「!」


「お前はあの時、捨てなくて良い命を捨てかけたんだ。…私の“命令”を無視してな。」


××「…命令…?…」

「言った筈だ
“今この瞬間から勝手に死ぬ事は許さない”と」


××「あれ、命令だったんだ…?」


「まぁ、そう言ったところで“変えられない現実”は存在するからな。実際、撃って死んだ様に見せかける必要があった訳だが。」


脚を組んでテーブルに頬杖をつきながら彼を見た。


「キミが死ねば、私はタイムリープを繰り返して、お前を助けに行かなくてはならない。それは私には“迷惑”だ。今一度命令する。私の許可無く勝手に死ぬな。」


××「えっと…俺は仕事に戻らないと、だからその命令には従えないよ。ごめんね」



ーー何も、把握出来ていない。ーー



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