第1章 再演
名前「キャルはお喋りだな。…ヒロ、」
「ん?」
名前「SWATに派遣する前にキャルを太らせろ。シオン、その後キャルにSWATの体力テストを受けさせろ、落ちたらクビだと伝えろ。後釜はICPOに居るから問題ない。」
シオン「了解しました」
今サラッと怖い契約が聞こえたな?特に後半。え?俺はキャルをクビにさせる為に太らせてなきゃいけないのか?理不尽だ。お喋りだった為に?…哀れな…
キャルを不憫に思いながら聞き慣れた単語を頭の中でもう一度確認した。“ICPO”?
「…そういえば、機関がどうとか、フィル?が、FBIの個別任務とか、
名前「待て」
「え?」
名前「誰が言った?フィルの個別任務がFBIのものだと」
暫く黙って考えた。もしかしたら聞いていなかったかもしれない。…そうだ、フィルは個別任務と言っただけで、FBIのとは言っていない。
「…色んな話を聞いたせいかな…って…なに?」
再び話し始めた俺の首筋に名前の手が伸びて来てその冷たい手にゾクリとした。
名前「…続けて」
「ああ、うん。…色んな話を聞いた所為で多分混同したんだと思う。ごめん。」
名前「…謝る必要は無い。…個人に宛てた任務の詳細は基本的に口外しない。フィルに宛てた任務はFBIのものでは無いが、ヒロが聞いたんだとしたら誰が言ったのか知りたかった。こういう場合は大抵キャルだけどな。」
ノアに口止めされていたキャルの事を思い出して確かにと納得してしまう。
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