第1章 再演
シオン「…ヒロは結構顔に出ますね。大方、司令は貴方に配慮して優先先を貴方がリラックス出来る環境にしたのでしょう。」
ノア「シオン…余り言わない方が…」
シオン「気付いていないので気付かせているまでです。貴方がノアから話された内容で司令の有能さに気付き感銘を受けたのはとても素晴らしい事です。ですがそれに対して身を強張らせ、出来る事が出来なくなるのは誰も望みません。貴方に、持っている全てを曝け出しそれをこの組織と司令の為、捧げ、尽くして欲しいのです。それが司令が態々貴方をリラックス出来る様に配慮したこの料理対決だったという訳です。好きなんでしょう?料理。」
早口で捲し立てる様に褒め言葉だったり告白じみた言葉だったりを浴びせ掛けられて、何を言えばいいのか分からずに困惑した。
名前「…シオン…」
シオン「はい」
名前「…ハァ…日本人には侘び寂びという言葉が存在する。慎ましく、質素なものにこそ趣があると感じる心の事だ。お前にはそれが足りない。」
シオン「慎ましい…確か、控えめな態度、でしたか?控えめ………司令、現状以上に司令への気持ちを抑える事など不可能です」
真顔、いやそれどころか真剣な顔だ。
この人は名前に対して本気で告白している。
キャルとノアはいつもの事なのか、せっせと
食器を洗いメインルームに向かっていた。
名前「わかった。分かったから落ち着け。」
シオン「本当に理解成されていますか?この間など気が気ではありませんでした。」
名前「!…それ以上言うな。」
シオン「…」
名前の目付きが変わりシオンにその目を向けるとシオンはピタリとその口を継ぐんだ。
名前「…シオン、自分をコントロール出来る様にしろ。」
シオン「…ノアとキャルの会話が聞こえました。MI6に派遣した時、司令が私を戻す為にキレていたと。」
それを聞いた名前は頭に手を置き思いっきりため息をついた。
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