第1章 再演
20分ほど経過した頃、オレは調理を終えテーブルに運んだ。
名前は既に調理を終えていて、甲板に出ている。
彼女の作った物を眺めると、どれも美味いだろうなと思える。
ーーまさか、
本当にタイムリープしたのか…?ーー
考えても仕方が無い事を考えてまた少し笑っていると、ドアが開かれた為顔を戻した。
ノア「戻りました。」
「おかえり。……本当にバニラアイス買って来たんだ…?」
帰って来たというノアの手には近くのコンビニで買って来たと思われるビニール袋が握られている。
ノア「?…あれは司令の“命令”でした」
「…その、“命令”ってどうやって見分けてるんだ?髭を剃れって言われた時は“任務”だって言われたから分かったけど…俺はバニラアイス買って来てって言われてもそれが“命令”だと思えないかもしれない。」
ノア「ああ、…それは、彼女の目を見れば分かります。」
「…それだけ?」
ノア「それだけです。」
真面目に話すノアの姿に驚きを隠せないが、
取り敢えずそれ以上追求しない様にして
アイスを預かり、冷凍庫に締まった。
名前が戻って来たと思ったが、一旦厨房エリアを通り過ぎてメインルームのドアを開けるとシオンとキャルを呼んだ。
テーブルに並べられた料理の前に全員が立ったまま皿を持ち、名前は木製のフォークを沢山入れたカゴを置いた。
.