第1章 再演
なんだろうな、話が壮大過ぎてついていけないが、
「…とにかく司令が凄いっていう事は充分伝わった。」
キャル「だよなーすっげえよなー」
自分の事のように目を輝かせながら嬉しそうに話すキャル。
ノア「司令の凄さはまだ存在しますし、私が聞いていない事もあると思います。話して良い範囲ならいつでも話しますが、キャルの話は何を聞いても口外してはいけません。彼は口が軽いので。
そして司令についてですが、彼女の名前は
苗字名前 統合総司令。
私達は主に“司令”と呼んで親しんでいます。
“統合”と言っているのは我々が手を組んでいる機関が一部では無いからです。
我々のこの組織の名前は
“Revive The Dead. ”
略称でR.T.DかDEADと呼ん欲しいそうです。
主に、“殺される目になった人”たちですから
“死者を蘇らせる” と。
Revive The Dead. 」
「なるほど…」
キャル「…流石だなぁ…」
ノア「全くですね。」
「ん?」
突然感心の色を見せる彼等をキョトンとして見てしまう。
キャル「一気に情報詰め込まれてんのに、飲み込めてる。」
ノア「状況判断も早く、理解力もある。」
シオン「司令が命を落とさせるには惜しいと言っただけの事はあります。」
いつから其処にいたのかシオンが立っていた。
指でキャルを呼び、珈琲の淹れ方を教え始める。
ーー…自由だな…ーー
ノア「さて、仕事をしましょう。」
仕事?…苗字さんは確か、
“各員は自由に行動してくれ”って言っていた様な。
考える素振りを見たノアは俺を見て説明を始めてくれた。
ノア「…自由に行動、と言われた場合は各機関の操作情報や最近起きている事などをまとめ、必要になる可能性がある全ての情報を探し出します。その場合、どんな些細なことでも構いませんが、逆に言えば“些細な情報こそ見逃すな”ということです。
どの組織の誰が何を気に入っている、家族構成は勿論その子供が何を気に入っているか、通う美容室やそのスタッフ、お気に入りの飲み物、そういう些細な情報が、時に誰かの命を救う事があります。」
「……えっ?」
耳を疑った。
その程度のことが?そう言いかけた。
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