第1章 再演
「すう…え?」
キャル「崇拝。崇める事だよ?」
ーーいや、それはわかる。ーー
「どうして?」
ノア「その経緯については知りません」
キャル「正直知りたく無いなー」
「その、知りたく無い理由は?」
ノア「…此処に以前居たメンバーの1人が、シオンが起こした問題行動によって、男性であるという機能を失った事があります。」
ゾワリと身の毛がよだった。
それはキャルも同じだった様で身震いしている。
キャル「…怖くね?…しかもそれ、司令が止めるまで誰の制止も無視だから。」
「それは…怖いな…」
ノア「…それだけその彼はシオンに良く無い事をしたという事です。」
「その彼は…その後どうなったんだ?」
ノア「?…病院に搬送後、一部記憶を無くした為、好都合だと司令が切り捨て除隊。のちに黒の組織に入り、その後…亡くなっています。」
「…司令は…誰でも切り捨てられる人なのか?」
キャル「それは違う。」
ノア「違いますね。」
俺の問いかけに2人は即答で殆ど被って答えた。
キャル「そもそもシオンのプライベートを盗み見た其奴が悪い。犯されたく無い領域は誰にでもあるだろ。司令に対して俺らはそういうの無いけどな。」
ノア「…シオン自身もその後、司令に問題行動を問われ、MI6の方へ個別任務を言い渡し指示に従っています。…シオンは司令を崇拝していますから、離れる期間は相当辛かったと思いますよ。」
キャル「ま、MI6の中枢がシオンを返還させないって動きを示しかけた時の司令もまぁまぁキレてたけどな。」
ノア「…?そうなんですか?」
キャル「ああ、司令はMI6の上層部の奴の名前?を伝えて、其奴に
“それがMI6の答と捉えていいか?”って聞いてたよ。
そしたら直ぐに帰還命令が下された。」
ノア「……キャル、今の話は他言しない様に。ヒロ、貴方も。」
キャル「此処でしか言わねえよ」
「…わかった。」
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