第1章 再演
ヒロsaid
シオンは司令を大事そうに抱えながら愛おしそうな顔で彼女を見つめた。
そのまま抱えて連れ出そうとすると彼女は突然目を開けた。
「ヒロ…私のことは呼び捨てでも好きに呼べ…」
それだけ伝えるとまた眠ってしまった。
シオンは彼女を連れ出し、何処かへ向かってしまった。
好きに呼べと言われてもな…考え始めるとノアが話してくれた。
ノア「先ず私以外にメンバーの事を紹介した方がいいでしょう。
其処にいる彼はキャル・ヴィンヤード。
機械全般のことに長けていて、
FBIで活躍していましたが人に妬みを買い、
それを利用したIOTテロに巻き込まれ、
殺される目に遭ったところを司令が助けました。
その時、司令は4台のパソコンを同時に
操作しながら解除コードを
探し出したそうです。
私にはよく分かりませんがキャルはそれが分かるそうで、……見ての通り今にも興奮して話し出しそうですが。」
キャル「あの時はマジで凄かった!司令は“洞察力”が鋭く記憶力がいいからな!俺の操作を見ただけで覚えたらしいんだ!」
目を輝かせながらの昂る感情を抑えられないと彼はどこまでも嬉しそうに何でも話してしまいそうな勢いで興奮している。
ノア「次に、先ほど司令を連れて行ったシオンですが。彼女は変わっています。」
「え?彼女?」
ノア「…シオンは、“彼女”、女性です。
男装が必要な事もあり司令や私と動く必要がある時が多いので“執事”の格好を常にしています。
女性らしくする場合もありますが、彼女は司令以外に興味を示しませんので、
ターゲットでも無い限り彼女から好意と思われるものを向けられる事はないでしょう。
彼女は、司令を“崇拝”しています。」
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