第5章 投影
名前「?まだ見つけられないからな」
降谷「…君は…天才の割に馬鹿だな。
“どうやって”が知りたいんじゃ無い。
“なぜ”かが知りたいんだ。…なぜ、
自分には無関係な人間を助けようとする?」
名前「………それは…」
持っていた珈琲のカップを置き、
真っ直ぐ向き直って見つめてくる彼女が言い放つ。
名前「死を選ぶ事で時間軸を移動していたが、その選択に限界があると感じているからだ。…“寿命”だよ。いずれ私の寿命は尽き果てるのだろうな。その前に私が想う人達の為に使いたいんだ。出来る事なら…」
降谷「それは…寿命が尽きれば俺たちと同じ様にただ死ぬだけという事ですか…?」
それはそうだろうよと笑う名前に
怒りと悲しみ、それ以外に恐らく、
“失うかもしれないという喪失感”に
支配されていった。
降谷「使わなければいいだろう?!貴方は警察官でも何でも無いただの一般人だッどれ程の設備を整えていようと赤の他人に貴方の言う寿命を犠牲にしてまで
名前「それでよく公安が務まるな」
降谷「っ…」
沖矢「……」