第5章 投影
名前「私はもう“ただの一般人”と呼べる範囲に居ない事、公安の人間が知らない筈ない。」
赤井said
ジェイムズから連絡を貰ったのはもう随分前の話だ。
日本に居る組織がいつの間にか膨大な力をつけ潜伏しているという情報だった。
名前に船の事と手掛けた組織の存在を教えられるまで何の情報も得られずにいた。
その存在をジェイムズに報告すれば酷く安堵したのは稀に見る光景だった。
黒の組織を壊滅させる為に作った組織だとすれば間違い無くこちらの勝利は約束された様なものだと、この話を聞いた奴らは誰もが思っていた。
名前「黒の組織壊滅計画?…ああ、其れは君らで頑張ってくれ。其方の手段で充分勝てる相手だ。それに私にはやらなければならないと信じる事がある。」
未来を知る彼女のお墨付きが出ただけでも充分としようと工藤氏が言い、計画を練り始めたのか、書斎に籠る日々が始まった。
今はまだ降谷君が工藤邸に潜入する事を推測している段階だが、それは今後どう影響するのか俺たちはまだ何も知らない。
名前が話す“やらなければと信じる事”とは一体、どんな事なんだ
FBIも公安も断定的に名前が危険では無いと言い切れない
だが、
ーー願う様に話す彼女を、俺は
信じたくなった…ーーー