第1章 再演
名前said
ベッドの上で寝返りを打ち、寝苦しさに身体を起こすと出入り口に人の気配を感じた。
ため息が出るが、一応その人物の報告を聞かない訳にはいかない。
ベッドから出て、頭に手櫛を通しながら部屋を一歩出た。
気が抜けている事もあって欠伸が出る。
メインフロアへ向かいながら目を擦った。
辿り着くと其処にはフィル以外の全員が揃っている。ぼーっとしながら何でだ?と考えていると後ろからシオンに声をかけられた。
シオン「彼がタイムリープの話を信じ、自分が助けられた事を自覚しました。フィルは個別任務に就いています。」
あぁ、なるほど。と言いながらもう一度欠伸をし眠い目を更に擦った。
「えーっと……」
キャル「…しれー?起きてくださーい。」
「…今がいつでどの辺か考えてた。キャル、私の睡眠時間は少ない、もっと寝たい。」
キャル「まぁ、どこ飛ぶかわかんないし下手したら1週間起きてる状態になる事もあり得る訳でしょ?俺だったら耐えられない。」
「自由自在に選べれば楽なんだがな。…えーと、……」
………だめだ、相当眠いらしい。頭がまともに働かない。
ノア「タイムリープの回数制限を突破した所為でしょう。反動で動けなくなる日があるかも知れないとフィルから伝え聞いています。」
「ああ、…そう。……取り敢えず、各員は自由に行動してくれ……キミには、何か名前を与えないと…」
シオン「彼は諸伏景光、ヒロと呼ばれ、コードネームはスコッチ。偽名は確か…」
キャル「俺調べたよ!緑川維さんでしょ?」
キャルのその声にぱちっと目が覚めた。
「キャル、それ嘘の名前だから信じるな。それと前から言っているが何でもネットの情報を鵜呑みにするんじゃない。」
急に目を覚ましたせいでキャルは目をキョロキョロさせて少ししてはいと返事をした。
「彼はバーボンと同じくゼロで働いていた公安の人間だ。なのに嘘の偽名がネットで上がるほど噂されたんだな。…嫌かも知れないが、初の任務だ。」
××「え?」
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