第33章 優しさ ※
あなた「洋平は…着替えどうする?」
洋「オレはそこのコンビニで買ってくるよ。オレを待って一緒に入るか?」ニヤ
あなた「ひ、1人で入れます!ほら、もう立てるし!」
そう言って裸のまま壁にもたれかかり、体を手で隠しながら言うあなた。
洋(ったく、ほんとかわいいな…)
洋「ははっ、じゃあ、行ってくるな」
あなた「行ってらっしゃい」
あなたは1人お風呂で体を流す。
あなた(私…なにやってんだろ…はぁ…逃げてばっかだ…)
告白されてもちゃんと返事はせず、求められたらそれには応える。
なんて身勝手でヒドイ女なんだろう。
そんなことを考え始めると止まらなくなってしまい、涙が流れる。
少し泣いて体も心も少しだけスッキリして、パジャマに着替える。
あなた「よし、目は大丈夫そう!泣いたのバレない!」
あなた(洋平に心配ばっかかけたくない…)
髪は濡れたままリビングへと向かう。
その頃には歩けるようになっていた。壁はいるけれど。
洋「お、上がったか!」
あなた「洋平、おかえり!」
洋「…どうした?大丈夫か?」
あなた「うん?大丈夫だけど…」
あなた(目も赤くないし腫れてなかったのに…どうして気付くの…)
洋「あとで話聞いてやるから、ちょっとだけ待っててな。あ、でもその前に髪の毛乾かしてやるからこっちこい」
また抱き上げられ洗面所へと戻される。
ドライヤーのスイッチを入れ、あたたかい風があなたの髪の毛を乾かしていく。
あなた(人に乾かしてもらうのってきもちいいな…)
目を閉じてうっとりしているとドライヤーの音が止む。
洋「よし、これで大丈夫だ!じゃ、お風呂借りるな。リビングで待っててくれるか?」ポンポン
あなた「うん、ありがとう」
リビングに居るとシャーとシャワーの音が聞こえてくる。
あなた(もし洋平と付き合ったら…)
そしたら告白してきてくれた人達にお断りができる、体も求められることもない。
…でもそうなると楓ともう今まで通りにはできない。
楓と付き合ったとしても、洋平とも今まで通りにはできない。
それは仙道でも同じ。
あなた(だめだ…………考えられない…)