第7章 【しょうれん】Darling
「しょー聞こえたー? そゆことでーす!
まぁ、それはいんだけどさぁ
ここオレん家じゃん。紫耀来たら
オレ、行くとこなくない…?笑」
『え、何で? 海人もいてよ!』
「えぇーー…オレ、お邪魔虫やなんだけどー」
オレがそう嘆くと、スウェットの裾を掴んだ
廉も「海人も一緒がいい…」とか、甘えてきた。
ほんとにさぁ…
まさかこれが、天下の しょうれん とはね 苦笑
紫耀も廉も、お互いのことになると
自分から告る派とはとても思えないくらい
ポンコツで愛おしいまであるよ 笑
で、多分この紫耀もこの廉も…
人類オレ以外見たことなくない?って思うわけ。
あの頃はさ、オレも余裕なかったし
板挟みみたいになっちゃって、何だよもー!涙
って、思うこともなかったわけじゃないけど。
これがそのときの役得なのだとしたら
随分と余りあるご褒美だよなぁと
10年越しに思ってたりもする。
「わかった。じゃあオレもいるね。気をつけて」
とだけ告げて、通話を終了した。
「なぁ、どーしよ!! しょおに会うとは
思ってないからむっちゃ普段着なんやけど!」
……乙女なのかな?苦笑 と思いつつ、そんな
ことはおくびにも出さずに「大丈夫、廉は
いつもカッコいいし綺麗だよ」と告げてやると
まんざらでもなさそうな表情をして「なんか
疲れたわぁーー」と廉がソファに体を預けた
次の瞬間、インターホンが鳴った。
ガバッと起き上がった廉が「えっどゆこと?
えっちょっ待っどゆこと?!さすがに早ない?」
って狼狽えてて。普段、想定外も想定内的な
感じで、慌てることがほぼほぼない廉だけど、
今回ばかりは珍しく、余裕がないみたい。
インターホンに応答してる間、オレの後ろから
モニターを見ながら「うわ…ガチやん」とか呟いて
紫耀がオレの部屋に辿り着くまでの時間リビングを
ぐるぐると歩き回っては、忙しなく過ごす廉。
普段、落ち着きないって言われてばっかのオレが
言い返す最大のチャンスだったけど、こんなに
ドキドキを隠せてない廉を前にしちゃったら
そんな気なんて、さらさら起きなくて。
2回目のインターホンの音にビクッと体を震わせた
廉の手を握って「大丈夫だよ、オレもいるからね」
って玄関の方に連れ立って向かった。