第7章 【しょうれん】Darling
海人と肩ひじ張らんと楽しみながら頑張っとった
つもりやったけど…
海人と一緒に会社も立ち上げたし、社員さんは
勿論、その家族の生活も背負うことになるから
やっぱ、どこかでプレッシャー感じとったんかな、。
自分のことを芸能人としてやなく、ただの兄ちゃん
として接してもらえたその時間がすっごい居心地よくて。
そういや、前に紫耀が
芸能に全然関係ないオジサンとオフの日
過ごしとるって言っとったことが脳を掠めた。
その当時は……え? 昔からの知り合いとか
でもなく、一般の人と今更知り合うってこと…?
それって、怖ない…? って思っとったんやけど、
全然自分のことを知らん人との時間って
こんなに肩の力抜けるんやなって。
そのときの紫耀の気持ちとか、しんどさとか…
少しだけ、わかった気がした。
―――不思議なもんやな。
あんなに、一緒におったのに。
ずっと、メンバーやったのに。
離れた今の方が
紫耀の気持ち、わかる気がする…。
大切やからこそ一緒に生きる愛情も。
大切やからこそ違う道を生きる愛情も
きっと、あんのよね。
相手の人生を尊重したいからこそ
信じてきたモノはそれぞれに。
譲れないブブンもそれぞれに。
無理に一つにならんくても
そういう愛情が俺ららしくていいんかもなって。
***
「れぇん…寒くないの?」
2人での活動が始まってからどんなに忙しくても
この日だけは、毎年廉と一緒に過ごすオレ達。
あと少しで1時になるっていうタイミングで
廉はベランダに出て、紙たばこを吸う。
それは大阪時代紫耀が吸ってたらしい
マルボロメンソール。
薄着のままの廉にブランケットをかけると
「ありがと」と肺いっぱいに吸い込んだ煙を
愛おしそうに吐き出した。
オレはその廉を見るのが好きだ。
紫耀を想う廉は
世界で一番、綺麗だと思ってるから―――
「……いま、何時?」
「ん…1時9分だよ」
この言葉を合図に、オレが紫耀に電話を掛けるのも
毎年のこと。
RRR…
『…んー、かいと?』
「うん、そぉ。ごめん、いま大丈夫だった?」
『うん、星…見てた』
「そっか…笑 誕生日、おめでと。」
『ありがと。って…
もうあんまめでたくもねぇけどな苦笑』
「ふふっ…あ、今廉と一緒だからかわるね?」