第7章 【しょうれん】Darling
だけど、そんな廉が羨ましくもあって。
勝手言ってるのはわかってるけど、
俺ができない分、廉には関西の仲間を
大切にしてほしいなんて…願ったりもする。
「…お前さ、男がそんなひと前で簡単に泣くなよ。
過去の思い出を大切にするのもいいけどさ、
それより、いま俺らにできるのは前を向いて
あいつらの分まで頑張ることじゃねぇの?」
「……もうええ、わかった。
もう紫耀のこと誘わんから! 安心して…」
ぐいっと袖で涙を拭った廉は
きゅっと踵を返して、楽屋を後にした。
紫耀の言うとることは…正しいと思う。
けど、その正しさがそのときの俺には
すごく、冷たく感じたし、腹立だしかった。
「向こうでのいいお土産話聞かせてよ!」って
笑顔で送り出して、こっちに来てからも連絡を
くれとった大吾との関係を否定された気がして…
心のなかで紫耀に対して勝手にシャッターを下ろした。
何でも完璧にこなす紫耀が誇らしかった。
いつも気づいたら周りに人が集まって
輪の中心で笑っとる紫耀が憧れで自慢やった。
そんな紫耀の隣におれる自分が好きやった。
はずやのに…
シャッターの向こう側の紫耀は
あまりにも眩しくて、羨ましくて、悔しくて。
けど、そんなもやもやをメンバーは勿論、
大吾達に話すわけにもいかんくて…
独り、肚ん中でライバル意識を拗らせて、
嫉妬しとったんやと思う。
そんなんいっぺん考え出したら
もう、何もかもがわからんくなった。
紫耀のことが好きなのか、嫌いなのかさえ。
…俺は、
今までどんな顔して紫耀の隣に立っとった?
これから先、どんな顔をして紫耀の隣に立って、
どんな話をしたらいいんかわからんくて…
その日からうっすらと紫耀と気まずくなった俺は、
仕事ではなんとか頑張るけど、プライベートでは
紫耀と話をすることが極端に減った。
一回喋らんくなると、
どんどん、どんどん、、喋らんくなっていって…
昔はお互いのことで知らんことなんかないくらい
ずっと一緒におったのに、現場でのトークや
雑誌のインタビューで初めて知ることが増えたし
その頃の俺らは海人がおらんかったら
いつバラバラになってもおかしくなかったと思う。