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【KP】ブロマンス

第7章 【しょうれん】Darling






紫耀にとって関西の仲間はそうやなかったん…?

勿論紫耀にだって言い分はあるやろうし
考えがあってのことやってことはわかっとる。


あんだけ一緒に過ごしとったんやから
紫耀が向こうにおった頃関西の仲間のことを
大切に思っとったことくらい俺にもわかる。

けど…今は?


かつての仲間に対する想いが俺と紫耀の間で
違いがあるように感じとった俺は悲しかったし、
それは勘違いやって。

関西の仲間のことを今も大切に想っとる
紫耀を感じたくて―――


「…紫耀。あんな、今度ジーコ達の舞台が
 松竹座であるんやけど…」

「……ふーん?」

「あの…一緒行かへん?」

「あー…悪いけど、パス。」

「なんで…? 紫耀はジーコからだいぶ可愛がって
 もらっとったやん。こんなん言いたないけど…
 ちょっと、冷たない? 離れても仲間やないん?

 紫耀、今はもう全然連絡もとってないんやろ?
 もうこっち来たらそれで関係は終わりなん?」


そう俺に感情をぶつけた廉は
瞳いっぱいに抱え込んでいた涙を零した。


―――いいよな、泣けるやつは。
俺は…泣けない。


俺が最前線で仕事ができてるっていうことは
その裏で、きっと今も、涙を堪えながらデビューを
夢見て努力し続けている誰かがいるってことで。

だけど、残酷なことに俺たちの仕事はスキルを
磨けば必ずしもそれが実を結ぶわけじゃない…。


求められる自分を理解して、
チャンスが舞い込んだときに応えられるように
ただひたすらに準備するだけ。


そのチャンスが舞い込む保証なんて、
どこにもないけど…

いつでもない、いつかのために
ただひたむきにスキルを磨くしかない孤独な日々。


だけど、そのスキルを披露するステージを
与えられるのはほんの一握りの人間で…。


華やかなステージの上に立つ
ひと握りのスターを支えているのは
大多数の孤独な努力だ。


それなのに、どうして泣ける?
どんな顔して会いに行ける…?

ステージを準備してもらえてる立場の俺が。


かつての仲間の為に俺がいまできることは
“アイツには敵わない”っていう圧倒的なスキルを
身に着けることしかないと俺は思ってるから…


だから、俺は泣かないし、未来しか見ないし、
過去をいつまでも引きずることなんかしない。











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