第5章 【5KP】1999
脱退に向けて具体的に話していくうちに
メンバーそれぞれが大切にしたい
ファンとの向き合い方がわかってきて。
きっと、廉と海人ならいい関係を保ちながら
キンプリを守ってってくれるんだろうなって…。
自然に、そう思えたんだ。
それはもちろん、
嬉しくも頼もしくもあったけど
少しだけ、切なくもあって…。
俺の弟みたいについてくる海人のことを
グループのパフォーマンスのレベルを
一緒に引き上げてくれる海人のことを
自分の片割れのように感じていたこともあったけど、
俺は…
何にもわかってなかったんだよな。。
***
今後についての身の振り方が決まったあと
ファンのみんなにどうやって恩返しできるのか
何ができるのか全員で考えていきたい。
という想いは5人全員が一致しとって、
3人の卒業に向けてCDのリリース予定も立て続けに
組み込まれていった。
そうなってくると必然的に
5人で過ごす時間も増えてって
自分たちで決めたことなハズやのに
複雑な感情が渦巻いてくる。。
5人での活動が楽しければ楽しいほど
それは苦しくて…。
きっと、その感情は同じはずなんやけど
こういうときにとる行動も真逆なんが俺たちで。
「れん!れぇん!…もう!!笑
なんでカーテンの裏なんかにいんの!苦笑」
何話したらいいんかわからんくて
休憩時間一人で過ごすことの増えとった俺を
あざとく見つけてくんのがコイツで…。
「ちょっ、海人…!静かにしろって!
大事にせんとってって!
俺のことは気にせんでええから…。
あっち行けや、もう!」
「やだ!行かない!
ねぇ、、思い出、作んなくていいの…?
あと少ししか一緒にいられないんだよ?」
「いいから!俺のことは気にせんで
海人は思い出作ったらええやん。」
「でも、オレはその思い出に廉もいてほしいよ…。」
「…ありがとうな。けど…、俺には無理なんよ。
やから、俺のこと気にせんとってよ。。」
5人での活動の終焉間際、
523以降の2人の活動のための準備が
並行して行われとって…
丁度ドラマの撮影でも時間に追われとった
その頃の俺は、感情も、頭のキャパも
イッパイイッパイやったと思う。
いま思い返してみても
だいぶ、しんどいもんな…。