第6章 【Deep Forest】
オレはその頃の廉の心の奥の気持ちには
触れさせてもらえなかったけど、、
これからはオレが廉に甘えるだけじゃなくて。
こうやって廉と向き合って話し合って、ポジティブ
な気持ちも、ネガティブな気持ちも共有していけたら
廉とそんな関係を築けたら…
「うん、でも…仮に悪足掻きだって誰かの目に映った
としても、それでもいいって…オレは思ってる。
待ってくれるファンの子がいるなら、
廉が隣にいてくれるならそれだけでいいって。
オレね?パフォーマンスに力を入れて勝負したい
っていう3人の気持ち、カッコいいなって思うし
一緒にその夢を叶える未来も想像してみたんだ。
だけど、オレはやっぱり…好きなの。キンプリが。
応援してくれるティアラが。オレにアイドルとして
生きる喜びを教えてくれた大切な人達だから
オレの人生をかけて恩返しがしたいって思ってる。
…でも、そのためにはオレだけじゃダメで。
オレが大好きなキンプリの曲を、これからも
ティアラと…廉と、大切にしていきたい。」
「けど、わからんもん。
これから俺ら2人でどう頑張ったらいいんか…」
「……ごめんね、オレもそれはわかんない」
わからんのかい!って…久しぶりに浮かべられた
廉の笑顔がすっごく、愛おしくて…
廉に言ったら怒らせちゃうかも知んないけど
廉の笑顔を守りたいって、そう思ったんだ。
廉には言わないけど、勝手に心に誓った。
「オレ達だけで何ができんのかわかんないけどさ、
誰のためとか、何のためとかわかんないなら…
オレのために歌ってよ。」