第5章 【5KP】1999
こういう話し合いのとき、物事を俯瞰で見れる
じんの存在がほんま、ありがたいわ…。
永瀬「この事務所じゃやりたいことが
できんって紫耀たちは言うけど…ほんまに、そう?
俺は…たくさん夢叶えさせてもろたと思っとるよ。
確かに海外は
ジャニーさんと交わした最後の約束やったけど
仮に海外に挑戦できんくても、俺は後悔せんと思う。
そら、海外を夢見たこともあったよ?けど今は…
今の俺らを応援してくれとるファンの皆を
大切にしたいと思っとる。」
冷静に話しだしたつもりが
うっかり、声が上擦とって…
俺もキテんなぁ。。
なんて、自己分析できるくらいには
意外と冷静な俺もおって。
―――ちゃうか。
どっかで人ごとと思わんと、こんなんしんどすぎて
ようやれんからやな、多分…。
岸「ちがっ…!!廉!廉!
全部が全部そうじゃ、ないから!
やりたいこともたくさんやらせてもらったし
叶った夢もたくさんある。
それは間違いなくて!!
廉と海人にも、ファンの子にも、事務所にも
めちゃくちゃ感謝してる!!…これはガチ。」
久しぶりにきっさんが口開いたか思ったら
こんなこと言うてきて…。
素直に嬉しいいうか…ホッとして。
けど、それでも、、
ここではもう一緒にはやれんってことやんな。
そう考えるとなんか、たまらんわ…。
たまらんけど、その言葉で救われた部分も
かなりあんのも事実で。。
永瀬「そうなんやね…。それ聞けて…よかったわ。
けどやっぱり俺は、まだ見ぬファンより
いま、応援してくれとるファンを大切にしたい。
そのコら置いて、海外なんか行きたないのよ。
でも、それは…海外に行かんってことやないよ?
これまでと同じように個人仕事も頑張りながら
ファンの裾野を広げてって、
その結果、ファンの輪が海外まで広がったなら
そういう未来があってもいい…とは思う。
けど、海外ありきでは俺は考えられん。
それは俺には…できん。」
仕方ないよな…。
「できない」って言われたら。
ジュニアの頃から10年以上廉と一緒にいたから
わかるんだ。
あと2、3年キンプリとして活動を続けたとしても
きっと、廉の考えが変わることはないって。
じゃあ、その2、3年後に何が残る…?
俺に残るのは今より確実に疲れ果てた膝だけだ。