第1章 【れんかい】僕だけは知りえないキミ。

〜廉side〜


左手を握られながら普段はそんなにしげしげと
見ることのない海人の顔を遠慮なく見つめる。


まつ毛……長。長ちゃんやん笑
自分も長い方やと思うけど、海人のはエグいな。
かわいすぎるやん。
女のコでも海人に敵う子、そうおらんよな。


海人の寝顔が半目やって長いこと茶化してきたけど…
これ海人の目が大き過ぎて
まぶた足りてなかっただけやったんかも笑
だって今も若干半目やしw


「……おーーい、海人さんちょっと長ない？笑
寝てませんか～？ｗ」

「寝てませーん！笑」


そんな海人がかわいくてたまらんオレやけど、
見た目とか、かわいげとか、そういうもん以上に
海人の才能にベタ惚れてる。


２人で作品を作り出してから改めて思うんやけど
海人は…根っからの表現者。


ダンスにしろ、演技にしろ
曲を作るにしろ、絵を描くにしろ


何やらせても勘がいいといいますか。
次々にいいもん生み出せるんはさすがやなと思う。




でも、海人の本当にすごいところは
勘のよさに甘えずに
努力し続けられる才能なんよな。


何やらせても努力してクオリティ上げて
自分のもんにしてくとこ、尊敬しかないわ…。


海人はさ、Kingに選ばれたばっかりの頃、
悩んでよく泣きながら電話してきとったやん。


みんなに認められて、同じ目線に立って、
メンバー全員と対等でいたいって。


でもいまの海人は正直…、
怖いくらい誇らしすぎるメンバーよ。


それに最近の海人は悩みはあっても
それを感じさせんくらい生き生きしとるし。


だから…海人がこれからやりたいこととか
描いている未来をさ、ちゃんとカタチにして
ファンの人に届けられるスキルはせめて、
持っときたいのよね。オレとしては。


そのための努力は惜しみなくさしてもらうから
今までと変わらず楽しみながら
肩ひじ張らんとこれからも頑張るわ。


って思っとるわけなんやけど、
１つだけ、これはガチめに海人にお願いしたい！笑


できること、全部先言っといてほしいw


オレ海人がこんないい曲作れるんも知らんかったし
こんなに若林さんできるんも知らんかったもん。笑


ほんと、
心の準備いるから先言っといて～笑


そんなことを思っとったら
自然と顔が緩んだオレは、


気が済んだらしい海人と目が合った。