第5章 【5KP】1999
神宮寺「そうだよね、廉の言うとおりだと思う。
俺たちも何回も話し合ってきたから。
簡単に答えが出ることじゃないと思うし、
今日明日返事をもらうつもりは勿論、ないよ。
廉と海人でよく話し合ってからでいいから。」
まぁ、、その“俺たち”の話し合いの段階では
俺と海人は“俺たち”に含まれとらんやったわけで。
正直、複雑よな…。
永瀬「もちろん、それはそうさせてもらうわ。
お互いに、後悔せんようにしたいしな。
けど、、事務所出てどうするん?
他の事務所行ってまた、やるん?」
平野「まだ、先のことは決まってない。」
永瀬「決まってへんなら…あと、2、3年
一緒に頑張れん?それが無理なら
せめて、5周年終わるまで…。
せっかく、縁あってデビューできたんよ?
今まで応援してきてくれたファンのためにも、
もう少しだけ、頑張れん…?」
そんな俺の言葉に
紫耀は困ったように笑って…
平野「ごめん…廉の気持ちもめちゃくちゃわかる。
けど、、無理なんだわ。
先のことは決まってないけど、ここでは
できないことに挑戦したいと思ってるから。」
永瀬「ここで挑戦できんことって…海外?」
平野「…ももちろんあるし、
もっとダンスに特化したグループになりたい。
HIPHOPとかもガッツリ、やりたくて。」
髙橋「…ダンスに特化?」
落ち着きを取り戻しかけてきとった海人が
慰められとったじんの腕の中をすり抜けて
紫耀の言葉に反応する。
平野「海人もやりたくない?楽しかったじゃん。
Magic Touchも、一緒に振り付けたNANANAも。
ichibanもツキヨミも…!」
髙橋「楽しかったよ!!めちゃくちゃ楽しかった!
けど…事務所出ちゃったら、
紫耀が好きなその曲たちだって、
当たり前にできなくなるんだよ…?」
平野「もちろん、それもわかってるし、ツラいよ?
けど俺…、26の誕生日に思ったんだよね。
『もう、30になっちゃうじゃん…』って。
歌うのも踊るのも楽しい。
ファンに会えるのも嬉しい。
パフォーマンスで沢山の人を笑顔にしたい。
けど…正直、思っちゃうんだよ。
本当に叶えたい夢に挑戦させてもらえないまんま
いつまで王子様やんなきゃなんだよって…
今までだましだましやってきたけど、
ぶっちゃけもう、限界だわ…」