第4章 【れんかい】僕の好きな人
オレなりに考えたその案は
「……なによ、それ苦笑
そんなん、海人にさせられるわけないやん。」
って困ったように笑われながら却下されて。
オレは別に…
廉のこと、困らせるつもりなんてなくて。
今の廉にオレが寄り添えることって何かなって
考えた結果の提案だったんだけど。
廉が望んだのは
そんなことじゃなかったみたい…。
人間って複雑だからさ。
理解し合うって本当に難しくて。
紫耀とじんと岸くんと
脱退に向けて話し合うようになって
過去イチ、
それを実感したんだよね…。
でも、確かに難しいことだけど、
諦めたくはないなって…オレは思ってて。
オレの思い過ごしじゃなければ
多分、廉もそう思ってくれてると思う。
そんなことを考えてたらさ、
「……そんなん、ナシやろ。」
なんて…廉がポツリと零してきて。
「…えっ?」って思わず聞き返したオレに
「そんなさ…誰かのかわりとかはさすがに、
ナシやろ。そんなん、、俺の大事な相棒に
させられるわけないやん。」
って怒ったような目でジロリと見てくんの。
「え、大事な相棒って……??」
恐る恐る自分を指さしながら聞いたオレに
「ふはっ。他に誰がおんのよ笑」
なんて…笑いながらアッサリと返されて。
「アンタさぁ、、
俺の大事な人にそんな変なことさせようとすんの
マジでやめて?……頼むわ。」
そんな殺し文句を口にしながら、
オレの頭をポンポンって、、
優しく微笑みながら…してくんの。
知ってたよ?
知ってたけど…、
…これは、モテるわ笑
この顔でこんなんされたら
オトコのオレでもやばいもん…苦笑
女のコなんてもう
『惚れてまうやろー!』でしょうよ笑
そんなふうに、妙に感心したりしては
もし彼女できても廉にはギリギリまで
紹介したくないわぁ…苦笑
なんて、心の狭いオレが顔を出してきたりする。
「……テッペン、超えたな。。」
そう言いながら携帯に目線を移した廉に合わせて
オレも時刻を確認する。
「早…もうきっさんおらんし。
うちの会社、
こういうとこちゃんとしとるよな…苦笑」
そんなことを言いながら困ったように
笑ってオレに向けられた廉の視線は
すぐに、逸らされて―――…。