第3章 【きしれんかい】ドッキリに籠められた愛
「こわいこわいこわい! どうなってんの!
俺の聞いてた話と全然違うんだけど!!」
って自然な驚きっぷりで岸くんが入ってくるから
“岸くん、いいよいいよ! 滑り出し好調だよ!”
なんて心の中で岸くんを褒めながら
オレもそれに合わせてリアクションをする。
そしたらさ、近年稀にみる嬉しそうな顔で
「今のリアクションどおり海人はきっさんが来ること
そしてきっさんは海人がスタジオにいることを
全く知りませんでした!!」って言う
かわいい廉に逆ドッキリの確かな手応えを感じて
やっと落ち着いた気持ちで
ラジオに向き合うことができたよね笑
「あーー…マジで久しぶり。。」ってうっすら
涙を浮かべながら零す廉に“ごめんね、廉。
実はオレら昨日会っちゃってんだわ…”と
心の中で謝りながら表向きは会話を合わせる。
「マジで久しぶり…」
「海人と会えるとは思ってなかったから
マジで今、ビビってる!!」
そんな岸くんのセリフに
ホントにビビったのは昨日だけどね!笑
なんて心の中でツッコむ余裕も出てきて、
久しぶりの3人の会話を楽しんでいたときに
不意に、
岸くんから語られた5人の思い出。
アリーナの廊下の冷房の香り。
廊下をサンダルで歩く音。
その全てが
オレたちしか知りえないことで。
岸くんの想いに「分かる…」
と胸がじんわりしてきたところに
「言いたいことある…っちゃあるんだけど。」
オレの方を見ながら「…話していいっすか?」
って確認してくるから、あ…打ち明けるんだ。と
覚悟を決めて「どうぞどうぞ…。」と返す。
「ちょっと、鳥肌立つかもしれないんだけど…」
っていうハードルを上げすぎた入りにもかかわらず、
廉の本気度も相まって
最高に盛り上がる伏線回収になって…笑
そこの嗅覚、さすが岸くんだなって!笑
その流れで1か月半かけて仕掛けてきてた
サプライズだったことを知って、
岸くんの告白を聞いて目を真っ赤にしたり、
イジイジして伸ばしたクリップで
頭を掻いたりする落ち着かない様子の廉を見て
さすがにちょっと、かわいそうかも…
とは思ったけど、
最終的にこの流れを受けて
「俺ららしいというか…楽しかったわ、むしろ。」
っていう廉の言葉を聞けたから
それはそれで良かったのかなって。
やっぱ、キンプリっていいなって。
