第2章 【きしれんかい】エンドロール
「海人とは前から話す方やったけど、
2人になってからより話すようになったから…
過去1よくわかるわ、海人のことは。」
『そっか…、うん、大事!
話すって、大事よ!!
2人がちゃんと、前に進んでるの嬉しいよ。』
「……うん。」
『電話切ったらさ、次の仕事まで時間あるんなら
海人のこと探してあげな?』
「えっこれって…探した方がいいやつなん?」
『まぁ…わかんないけど、多分、
探してもらえたら…海人嬉しいと思うから。』
「わかった…。
きっさんがそう言うなら、そうするわ。」
『…うん。頼んだよ? じゃあ…切るわ。
発売、本当におめでとっっした!!』
「うん、ありがと。また…。」
電話を切って鏡で自分の顔を確認する。
……泣いたって、海人にバレるんかな。。。
気休めに目薬をさして楽屋のドアを開けると、
ドア前で体操座りをしている海人がいた。
「……海人?! こんなとこで何してるん!!笑
入り! 入り!!」
座り込んでいた海人をなんとか立たせて
腕を掴んで楽屋に押し込み、
ドア付近で2人とも立ったまま話し始める。
「海人、…何してるんよ笑 オレが、
締め出しとるみたいになるからほんまやめて?笑」
「トイレに…行ってた。」
「おん、そしたらトイレ終わったら
普通に入ってきたらええやん笑」
「でも、まだ! 電話してたし!!」
「別に……普通に入ってきたらええやん。
きっさんやねんから。」
「やだよ!! ていうか、岸くんだからやだ!!」
そう言葉を荒げてオレを睨みつけたかと思えば
楽屋のソファに乱暴に座る。
「海人……自分、何言うて…。」
「廉はさ…、
演技の仕事以外ではほぼ泣かないじゃん!
でも、その廉が! いま泣いてんじゃん!!」
速攻、バレてるやん。。。
海人にはほんま、隠し事できんな……。
そんなことをぼんやりと思っとったら
海人が大きな目からポロポロと涙をこぼしながら
捲し立ててくる。
「よかったんじゃん?!
岸くんはメンバーじゃなくなったんだから…
グループ内恋愛禁止のルール守る必要ないんだし!
岸くんと廉はさ、メンバーの頃からずっと、
そうしたかったんだろうし!!!」
「ちょちょちょ、海人、ちょっ待って?
誤解しとるから…。そういうんやないから。」
「………えっ?」