第2章 【きしれんかい】エンドロール
「発売おめでとうって連絡くれただけやねんで?
きっさん、ZIP見てくれとって。その感想とか、
海人フリースロー決めてたんも
すごいなぁ言うてたし。」
「……へっ?!」
一人で暴走してしまったことが恥ずかしく思えて、
急激に顔が熱くなっていくのを感じながら
“今だけは地黒に、感謝だわ…”
なんてことを思ったりする
意外と、冷静な自分に笑う。
「……オレ、さっきどこまで話した…っけ??」
「あーーー…トイレに行っとった
ってとこまで聞いたかな!」
廉が、聞かなかったことにしてくれたことに
ありがとう、と心のなかで感謝しながら
胸を撫で下ろす。
「あ、そうそう。トイレに行ってたのよ。」
「んー。海人、本番前後トイレ近いしな笑」
「それはいいじゃないの。緊張すんのよ笑」
「まぁ、収録んときは全然ええけどな?笑
でもさ、2人でライブするなら
トイレタイムも限られてくるから…
もうちょい調整できるようになってよ?」
「あ、でもそれ、テゴマスさんも言ってたわ…。」
「せやろ?」
「じゃあもうオレ、漢方のむわ笑」
「24で?笑 海人、それはだいぶヤバいで!笑」
「ですよね…苦笑」
「あ、そういえば海人がよかったらやけど、
きっさん、ご飯連れてってくれるらしいわ。」
「岸くんが?! ちゃんと奢ってくれんの??笑」
「何でもオレらが食いたいもん奢ってくれるっしょ。
きっさんは…あれよ、ケチキャラみたいなイジり
よくされとったけど、心のケチやないからな。
自分が大切に思うもんにお金使うために
普段、倹約しとるだけやから。
オレらのCDも楽天で買うてくれたらしいわ笑」
「えっ?! そんなの言ってくれたらあげたのに…。」
「せやろ? オレもそう言うたんよ。でも、
『2人が頑張って作り上げた作品だから
そこは自分のお金で買いたいでしょ。』やって。
なんか、、、きっさんらしいやんな…。」
そう零す廉が、
たおやかで…。
「…ほんとだね。」
「な…。」
そう重ねて岸くんを愛おしむ廉の横顔を見て
キレイだなと思った。
きっと、これから先もずっと…
廉の中に岸くんは居続けるんだろうと思う。
でも、それでいい。
オレは廉が笑ってくれるなら
多分、それだけでいい―――…。
💜🖤Fin🖤💛