第2章 見返りのない…
大公は待っていた。
とても鋭い目で。
私は、大公に、出身や家族のこと、城に入った経緯を聞かれた。
なんの感情もなく、冷徹なその対応に私は、傷ついていった。
決して心の繋がりなど無いこの会話私は、身の程知らずにも、悲しんでしまっていた。
一通り聞き終わると、
大公は口を閉じ
もう行っていい。
と、だけ言い、わたしは慌てて部屋を出ていった
わたしはみすぼらしく写ったに違いなかった。
兵士に、もう、食事の際に、広場には来るなと伝えられた。
わたしは、「はい」と答え、寝室に戻った